日本語

タイと言えば何を思い浮かべるでしょうか。近年では日本でもおいしいタイ料理の店が増えています。トムヤムクンだけではなく、タイ・ホーリーバジルを使ったガパオライス(タイ語ではパット・クラパオ)といった庶民料理も知られるようになってきました。タイへの旅行も大変人気です。毎年100万人以上の日本人がタイを訪れています。タイはきらびやかな仏教寺院や豊かな自然に満ちています。よく微笑み、ホスピタリティあふれるタイの人々にも出会えるでしょう。歴史的な遺跡も見逃せません。たとえばアユタヤーは14世紀から18世紀まで栄えたタイの都で、江戸時代初期には朱印船が渡ったところとしても有名です。日本とタイの経済関係もますます重要になっています。タイに進出した日本企業は1500社を数え、もはやタイなくして日本の製造業や食品産業は成り立ちません。首都バンコクに住む日本人も35000人を超えています。皆さんも将来タイに出張したり、赴任したりすることもあるかもしれません。このタイ王国の国民6500万人の公用語がタイ語です。

タイ語はどんな言葉?

それではタイ語とはどのような言語なのでしょうか。タイ語には日本語や英語と大きく異なる点が2つあります。ひとつは声調です。同じ音でも音の高さ(声調)によって意味が区別されます。厳密には別のものですが、同じ「はし」でも「橋」と「箸」では音の高低が異なり、それによって意味を区別していることと似ているかもしれません。この声調がタイ語には5種類あります。たとえば、カタカナでは「マー」としか書けない音でも、真ん中の音の高さで発音すると「来る」を意味し、高いところからさらに高く発音すると「馬」、低いところから高く発音すると「犬」を意味します。タイ語では英語と同じように主語・動詞・目的語の順番に文を作ります。ですので「マー・マー」と言っても、声調を正しく発音しないと、馬が来るのか、犬が来るのか、分からなくなってしまいます。この声調は日本語にないものですので、タイ語会話ができるようになるにはしっかり練習しなければなりません。もうひとつは文字です。タイ語はタイ文字を使って表記します。タイ文字は遡ればインドの文字を起源としており、13世紀に作られたと考えられています。例えば「こんにちは」を意味する「サワッディー(sawatdii)」であれば、สวัสดีと書きます。くるくるしていてかわいい文字ですね。具体的に発音してみましょう。สがsの音で、aの音が隠れています。วがwの音、上の記号がaの音、สはsですが、ここではtとして読みます。ดีは下がd、上がiiですのでdiiと読みます。全部合わせてsawatdiiと発音するわけです。実際にはさらにこれに声調が付きます。
こんなふうに、タイ語は42個の子音文字と、上下左右に母音記号を付けて表記します。覚えるのが大変だと思うかもしれませんが、少しずつ慣れていきますので心配ありません。そのうち文字がそのまま音に見えてきます。

これだけではタイ語は難しそうと感じるかもしれませんので、タイ語学習の簡単なところも紹介します。まず単語は一切変化しません。過去形はこの変化、受動態はこの変化というように動詞の変化を覚える必要はありません。そのまま単語を並べるだけで文を作ることができます。たとえば、「昨日、行く、学校」という順番でタイ語単語を並べると、「ムアワーンニー・パイ・ローンリエン」となり、これで「昨日、学校へ行った」という意味の文が完成します。また日本語と似ているところもあります。タイ語でも主語は必ずしも必要ではありません。食べて「みる」とか、教えて「あげる」、といった言い回しがタイ語にもあります。

複言語プログラムにおける
タイ語学習について

タイ語の授業はタイ文字を中心としたものと、会話を中心としたものに分けて行っています。文字の授業では1年近くかけてタイ文字を学んでいきます。それからタイ文字で書かれた文章を読解していきます。少しずつタイ文字の知識を積み重ねていけば、文章を読めるようになります。会話の授業ではローマ字表記のテキストを使って、発音を学んでから、シチュエーションに合わせた会話を学んでいきます。よくつかう言い回しを身に付ければ、すぐに簡単な会話をできるようになります。もちろんタイ語を学習したことがない方がほとんどなので、何度も復習を繰り返してタイ語を身につけていきます。

タイ語を選択した理由としてタイ人の友人がいる。お父さんがタイに赴任している。ボランティアに行ってタイが好きになったので、タイに住みたい。タイでムエタイの修行がしたい、などなど。もちろん、なんとなく、とか珍しいから、といった理由でタイ語を学び始めても、何の問題もありません。タイ語が少しでも話せれば、旅行も楽しくなるでしょう。もしかしたら就職してから役立つかもしれません。日本語やヨーロッパの言語とはひと味違う言語を皆さんも学んでみませんか。

タイ語学習者にお勧めの
図書

● 『タイを知るための72章』明石書店 綾部真雄編(2014)
タイ語も含めて、タイについて幅広く知ろうとすればこの1冊でしょう。項目別にタイのさまざまな側面を紹介しているので、興味のあるところから読み進められます。政治や経済といった堅い分野から、タイの音楽やインターネット事情といったことまで知ることができます。

タイ語学習者にお勧めの
参考辞書

  • ● 三省堂編修所編、宇戸清治監修
    『デイリー日タイ英・タイ日英辞典』
    三省堂、2004
  • ● 松山納『簡約タイ語辞典』大学書林、1998年
  • ● 冨田竹二郎『タイ日大辞典』めこん、1997年

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