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私たちが過ごす何気ない数秒が、
世界では悲しい瞬間だったりする。

蛇口をひねればきれいな水やお湯が出て、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる明かりのついた家に住み、家の周りには24時間営業のコンビニがいくつもあり、学校や会社への交通手段である電車は今日も時間通りにホームに到着する。日本での私たちの暮らしは安定して快適であることが当たり前になっています。
しかし、世界を見渡すと、日本のようにインフラが整った先進国の数は少なく、発展途上国が世界の大半を占めています。さらに、発展途上国の一部の国では、1秒に5歳以下の子ども48人が汚染された水や食糧で体を壊し、そして、4秒にひとりが飢餓で命を落としていると言われています。※1
そう、世界にはまだまだ貧困や紛争、伝染病などに苦しむ人々がたくさんおり、世界はそのような国々に対して支援を続けています。日本もその例にもれず、「国際協力」を目的とした機関と資金を設け、発展途上国への援助を行っています。もしかしたら、これを読んでいる高校生のみなさんの中にも、将来、「“国際協力”に関係した仕事がしたい」と考えている人もいるかもしれませんね。

国際協力をするために必要なのは「困っている人を助けたい」という思いだけでは足らない。

発展途上国の中でも、特に深刻な問題を抱え、発展が遅れている国を「後発開発途上国」と言います。例えば、アフリカのコンゴやリベリア、アジアではアフガニスタンやイエメン、カンボジアなどがそれにあたり、援助の対象国となっています。では、こうした国々に対する援助とは、一体どのようなものでしょうか。
「国際協力」は、言葉こそシンプルで意味もわかりやすいですが、しかし実践するとなると、とても複雑で容易ではありません。なぜなら、「国際協力」の基本精神は“助ける”ではなく、“共に発展する”ことが重要だとされているからです。
もちろん、食糧の支援や金銭的な援助など、“助ける”ことも必要です。しかし、こうした支援や援助を延々と続けていては、いつまでたっても自立して発展していけないですよね。国を発展させるためには、発展が遅れている原因を現地の人と共に調査し、課題を見つけ、現地の人々が中心となって改善していくことが大切です。そのためには、「困った人を助けたい」という思いの他に、現地の人々をサポートするために身につけておくべきスキルがあります。

ひとつ目は「言語力」です。国際協力が必要な国はアフリカ、アジア、オセアニアに多く、母語以外の言語による意思の疎通が難しい場合も少なくありません。さらには、母語が話せても読み書きができないというケースもあります。そのため、世界共通語である「英語」の運用能力はもちろん、それぞれの国や地域に対応した「英語以外の言語」の習得も必要となってきます。
ふたつ目は「国際社会に関する幅広い知識」です。歴史や文化、環境、政治経済、そして世界情勢など、国と世界に関する幅広い専門知識を備えることで、現地の状況や物事を、複眼的に捉えられるようになり、どんな支援・援助が必要かを見極めながら、現地の人々の立場に立って行動するための基盤となります。
このように、世界で「国際協力」に関する活動をするためには、学んでおくべきことがたくさんあります。「困った人を助けたい」という思いを実際に行動に移すために、世界に通じる言語力と幅広い視野、そして国際社会に関する専門知識を、ぜひ名古屋外大で身につけてほしいと考えています。

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※1 参考:山本良一(2003)『1秒の世界』ダイヤモンド社。